- 2023年08月07日
2023年度 教科研修会(英語…英語教育と日本文化)レポート
~ 2023年8月4日(金)~
「教科研修会(英語…英語教育と日本文化)」
〈講師:津田 幸男〉
津田講師は現在、筑波大学名誉教授。高校での英語教員を経て留学し、帰国後は大学で主に英語で日本文化を教えてきた方です。研修ではその実践の一部を紹介いただきました。グローバル化という名の元に日本文化や日本らしさが薄れていく現状を肌身で感じている講師より、英語教育において「日本人としてのアイデンティティ」を育てることの重要さが強調されました。英語の必要性が増すと同時に日本語を大事にする事も同時に必要な現在、英語、国語の教員がもっと交流してしかるべきであるという点から、両科目の先生方にお声がけして、少数ですが国語の教員の参加もありました。中学・高等学校の現場では、ここまでの視野を日頃の授業に反映させるのは困難であるにせよ、教員の方々には夏期休業時に「日本語を大切にしながら英語を指導していくには?」という問題を考える契機になったと思います。テーマが大きいので、一度の研修会ではまだまだ不十分ではあります。講師の考えに賛否両論あるでしょうが、今回は討論を深めるまでの時間がありませんでした。次の機会があればまた企画していきたいと思います。
・参加者 10名
・参加者の声:
「非常に気さくな講師で好感が持てた。関連書籍をもっと読んで自分でも学んでいきたいと思った。津田講師の第2回目以降の研修があれば参加したい」
「英語が苦手な日本人の自己肯定感の低さと日本文化の素晴らしさを再確認できました。受験や仕事にプラスだから英語を学ぶだけでは、深い学びにはならないと考えました。チャレンジ精神に溢れて英語教育の未来のビジョンをお持ちの素晴らしい講師だと思います」
「学校現場ではあまりにも英語ということが前面に出されていて、少し疑問に感じていた所です。英語教育のなかでこうした視点で取り組まれている先生がいらっしゃるのは、国語の教員として心強く感じました」
「現在NPOで外国人に日本語の添削や論評も行っております。着物の着付けを外国人に教える機会もあり英語が必要です。日本文化と英語指導の捉え方の参考になりました」
「自国の文化圏外に展開する様々な世界に触れることが外国語学習の醍醐味である。外国語学習の視座が自国文化の発信のみに収斂し過ぎるのは語学教育の趣旨に反すると思う。日本人の自己肯定感が低いとしても英語教育のみが原因だろうか?講師の問題意識は理解できたが、強く共感するところまではいかなかった」